リアリティ・バイツ(REALITY BITES)
大学生が見ると痛々しさを拗らせそうな青春映画
早いもので3月も中旬に差し掛かろうとしています。
社会人デビューまで後20日とちょっとしかないのですが、
もう早く時間が過ぎてほしくて仕方ありません。
「準備ができているのか?」と聞かれると、
自信を持って「はい」とは言えないのですが、
社会人1年生として日々、新しい壁にぶつかっては乗り越えている友人を見ると
羨ましくて仕方ありません。早く仲間入りしたいです。
この映画、拗れに拗れた若者たちが主役なのですが、
何にも縛られず、素直に自分たちの世界を生きている彼らを見ると
少し羨ましいです。
まあでも、自分がこうなりたいかと言われるとそうでもないので、
きちんと社会に溶け込めるよう、今まで人並みの努力はしてきて良かったなぁと
小さな自信を与えてくれました。
邦題:リアリティ・バイツ
原題:REALITY BITES
監督:ベン・スティラー
制作:1994年、アメリカ
時間:99分
メインキャスト:ウィノナ・ライダー, イーサン・ホーク,
ベン・スティラー
今回も前置きが長くなってしまったので、そのままあらすじへ。
あらすじ
- 首席で大学を卒業したリレイナ(ウィノナ・ライダー)は
テレビ局で働く傍ら、葛藤する若者を描いたドキュメンタリー作りに勤しむ。 - それに出演しているのは大学時代の友人たちで、
中でも自由で哲学人ぶったトロイ(イーサン・ホーク)となんとなくいい感じ。 - リレイナは担当していた番組の司会と激突、クビになるも
ひょんなことから他局のプロデューサー、マイケル(ベン・スティラー)
と出会い、恋愛関係にまで発展。 - それを見て気に食わないのがトロイ。嫌味を連発して邪魔しようとするも。。。
心地よい環境に留まり続けない
この映画、とにかく主演の二人が眩しい。
不器用で自分らしく生きる道に踏み出せないウィノナ・ライダーもかわいいのですが、
ひねくれすぎて彼女に素直な気持ちを告げることができない
ダメバンドマン、イーサン・ホークも色気があってかっこいい。
日本はルールやモラルに厳しく、周りに合わせることができない人間は
すぐに「社会不適合者」のレッテルを貼られてしまうリスキーな環境なので
ここまでアウトローな若者はあまりいないのかもしれませんが(時代も違うし)、
この年代の若者って、トロイのような考えに陥りがちではないでしょうか。
この社会は、自分の才能を活かせない、なんて決めつけてしまい
成長の機会や貴重な時間を無駄にしてしまう。
また、優秀であるが故に周りとも話ができず、
「こいつらのレベルが低いからだ」と他責にして人生を投げ出す。
こういう考え方って、狭いコミュニティで評価されている人に多いような気がします。
ただ、井の中の蛙、なんとやらとも言いますし、
少し外に目を向けて環境を変えれば、
尊敬できる人や、もっと仲を深めたいと思うような相手がたくさんいます。
私は東京進学、そして2度の留学を踏まえてそのことに気づきました。
人間、現状に満足してしまってはそこで成長が止まってしまいます。
一方、評価される結果を出している人は貪欲に成長できる機会を探し続けています。
若いうちは、「楽しければそれでいい」みたいな考え方でも良いのかもしれませんが、
人生が成熟してくる40,50代でその差が歴然になるのかなぁ、なんて思ったり。
特にここ最近はテクノロジーの進歩が目覚ましく、
少し油断していては変化の波に乗り遅れてしまいそうです。
現に、多くの社会人がAIに仕事を奪われるのではないかと怯えています。
まあ、この世代の人たちはこんなことが起こるなんて考えもしなかったでしょうし、
日本の雇用形態的には、死ぬまで面倒見てもらえるのが当たり前でしたから
今の状況に怯えきってAIを批判するのもわからなくはありません。
でも、私たちの世代ってこうなるのが明らかだったわけじゃないですか。
そのうえで、どうすれば生き残っていけるのか常に考え、
その場その場で最適な行動を取り続けないといけない。
これはもう、時代が時代なんですから仕方のないことなんじゃないかなと。
市場から摘み出されないよう、とにかく自分を磨き続けるしかありません。
私は個人的に、トロイのその後がすごく気になります。
自分の夢を追い続けてバンドマンとして名を轟かせるのか、
それともリレイナに感化されて"真っ当"な道を歩むようになるのか。
個人的には前者であってほしいのですが、真相は誰にもわかりません。
これもまた、映画の面白い一面だと私は考えています。
4月から社会人になる皆様や、自分の将来について思い悩んでいる就活生に
是非、観て欲しい一本です。
お時間あれば、手に取ってみてください。
今の我々はどう生きるべきか、その答えは。。。
わかりません。
SEE YOU SOON.